あぁ今週も誰とも会話しなかった・・・

専業トレーダー。完全無欠の引篭もり。人と一切の関わりを持たない生活。

アニメの登場人物を全て日本人だと認識している問題

今期のアニメ「実験品家族」を見た。

香港出身の漫画家が台湾の雑誌で連載している作品のアニメ化らしい。

キャストは日本人だが監督やスタッフは台湾?香港?の人のようだ。

 

このアニメを事前情報一切無しで見たのだが、3話になるまで外国の話だと気付かなかった。というのも作者が日本のアニメや漫画に親しんだ世代なのか、アニメにする際に日本的にしたのかわからないが、日本のアニメだと思ってしまう絵柄なのだ。

ところが3話になって、主人公達が都会に出て来たシーン、ん、街の様子が日本でないぞ、具体的に言えば看板が漢字だ、多分中国語。あれ、外国の話なのか?

いや、しかし、何かおかしい。

普通、外国の話なら1話の時点で何らかの外国ですよアピールがあるはずだ、何もなしに3話で、ん?外国?となる作りは変だ。

待てよ、となると主人公一家の名前、タニス、アシス、アイスリ、スイシ、スノー、聞き馴染まない名前だ、スノーに馴染みがあるせいで緩和されていたが、よく考えると日本人的なネーミングセンスではない。これは、そうか、もしや、Google先生に聞こう。

と、いう訳で実験品家族は台湾?香港?外国の話なのだ。ここで言う外国の話というのは日本人が描いた外国の話ではなく、外国の人が描いた外国の話で、本当の意味で外国の話だ。

 

あまりに絵が日本なので勝手に日本の話だと思っていた、彼らが全員外国人だったとは思わなかった、外国人というのは本当の意味での外国人だ。

今までハッキリと意識したことがなかったのだが僕はこれまでアニメのキャラを全て日本人だと認識していたらしい。

外国人だろうと宇宙人だろうと異世界人だろうと彼らは僕の中で紛れもなく日本人だったのだ。

例えばこうだ、少し気に入らない性格のキャラが登場したとき、気に入らない奴だなあ、と思っていた。だがこれは相手が日本人である場合の反応なのだ。

仮に現実で少し気に入らない態度の外国人と接したとしよう、この場合、気に入らないとは思う、思うが、そうは言ってもこの人は外国人だ、とも思う、そうなるとこれは文化の違いなのかもしれない、相手に悪気がなかった場合にいきなり気に入らないと思うのは失礼な気がする、と思うので、一旦態度を保留する、僕はそういう人間だ。

しかしアニメのキャラに関しては即座に気に入らない奴と思っていた、これは相手が日本人だと思っているからに他ならない、身も蓋も無い言い方をすれば宇宙人だろうと異世界人だろうと中の人は日本人だ、と思っていたのだ、意識的にそう思っていた訳ではないのだが。

本当に外国人、宇宙人、異世界人だとすれば、その人がどういった文化、価値観、倫理観、etc、に基づいてそういう態度をとっているのかを把握しようとするのに1クール全話見たところでとても情報量が足りない、まあそんなことを言い出したらストーリーが全く成り立たなくなってしまうので、外国人、宇宙人、異世界人というのはあくまで記号として、本質的には日本人同士のやりとりとして見ているのだ。でなければ宇宙人のキャラが日本人的な考え方をしたときにいちいち、うわっこの宇宙人は日本人みなたいな考え方だな!と驚かなければならない、そんなことは思ったことが無い。

 

外国の話でも同じで、僕はディズニーアニメは全員アメリカ人だと思って見ていることに気が付くし、ハリウッド映画も全員アメリカ人だと思っている。美女も野獣もアメリカ人だし、E.T.もエイリアンもアメリカ人だ、彼らは僕とは違うアメリカの文化をもっているもの同士だ、と思って彼らのアメリカ的なやりとりを見ているのだ。なのでいちいちこのキャラは考え方がアメリカ人みたいだな、とは思わない。

 

ところで実験品家族だが、僕は3話まで主人公達は日本人だと思ってみていたのだが、そこに特に違和感はなかった訳だ、ということは日本的アニメという共通言語を使えばどこの人が描いた話でも実は区別がつかないのだろうか、ディズニーのアニメは絵がアメリカだからアメリカ人に見えるだけで日本のアニメ絵風に描けば何の違いも感じないのだろうか、いや、そんなことはないはずだと思う、どこかしら違いが出るはずだ、にもかかわらず3話で看板の文字が出て来るまで特に何も思わなかったことに対して、え?外国の話?ん?え?となったのかもしれない。

香港の人は僕と感覚が近いのか、それとも世界人類みな同じようなものなのか、いやでも絶対に欧米の人とはだいぶ感覚が違う気がするんだけど、どうなんだろうか、欧米人が作った日本のアニメも見てみたい、多分かなり早い段階で気付くような気はするのだが。

 

この感覚を誰かと分かち合いたいのだけれども、これを読んでしまった人はもう香港の作品という先入観を持ってしか見れないから共感はできない。あ~残念だね~、一度知ってしまったらもう無理だからね~、読む前に見れば良かったよね~。

 

他には「一人之下」ってアニメがあって、これも日本のアニメと区別がつかないんだけど中国の人が描いてる作品で。だけどこれはタイトルの時点でやや気付いてしまうという難点がある、読み方がわからない、「ひとりのした」だろう、で合ってるんだけど、あんまり意味がわからない、そして主人公が張楚嵐、この時点で調べてしまったので、最初から中国の話として見てしまった、これも気づかないで見ていたらどの段階で、あれ?と思ったのか、知りたいところではあるけど、一旦記憶を消去しない限り無理な相談である。

 

という訳で実験品家族ももう少しの間は気付かずに見ていたかったのだけれども、知ってしまったからには仕方が無いので、今後は感覚の違いに注目して見ていこうと思う、今のところ特に無いのだが、強いていえば、研究所と家以外で食事をしたことがなかった家族が初めて外食を試みるシーンで中華料理を食べに行っていたところ、日本のアニメの様式美的に言えばここはファミレスの一択である様に思う。このシーンで特に理由もなく中華という選択肢は無いだろう、ただ舞台が台湾?香港?だと考えると普通な気もする、むしろ香港だから中華!というのは日本人的香港感と言えなくもない、とかなんとかそんな楽しみ方で如何でしょう。