トレードの厳密性について。
たまには真面目にトレードの話でもしようじゃないか。
僕は厳密なルールがあまり好きではない。
ふわっとさせておきたいのだ、いま流行りのファジー理論である。
なんて書くと若い人は本当にいま流行っていると思ってしまうかもしれない。
10年以上前に流行っていたのだ、15年かもしれない。
当時ファジー洗濯機なるものがあってファジーな洗濯機とはいったいどんな洗濯をするのか子供心に悩んだものである。
洗濯機のくせに曖昧に汚れを落とすというのか、明確に汚れを落としてこその洗濯機ではないのか、機械のくせにだいたい綺麗にしときましたとでも言うつもりか。
ファジー洗濯機が今でもあった場合怒られてしまうので上記は全て妄言であることを了解した上で正確には調べて頂きたい。
さてルールの話だが、相場は厳密な動きなどしないのは明らかであろう、この厳密な動きをしないものに対して厳密なルールを当てはめる、という事が僕は腑に落ちないのだ。腑に落ちないとは具体的にどういうことかと言えば。
日頃から待ち合わせの際に「10時に駅の改札右横の自販機の前ね。」と言ってくる彼女に対してはこちらも10時に自販機の前に行けば会えるだろう。会えないときには何か理由があるはずだ。
だが日頃から「10時頃に駅ね。」と言ってくる彼女に対してこちらが10時に自販機の前に行って会えるだろうか、おそらく彼女は10時には来ない、そして駅のどこにいるのかもわからない。会えないときに理由がどれなのかも謎だ。
そんな彼女に対して自分は毎回毎回10時ぴったりに自販機の前で待っていた場合どうなるだろうか、早々に喧嘩別れをするに違いない。
例えば、こんな足があったとしよう。
それに対し損切りを考えるとしよう、ここで切るのと、
こっちで切る、
より機能するラインはどちらだろうか、どちらで損切りするのが良いのだろうか。
おそらく正解はない、どちらが機能する確率が高いか知っている方は教えて欲しい。
こちらがどちらかのラインで損切りをすると厳密にルール化したところでどちらのラインがより機能するかが判明することも機能する確率が何%なのかが判明することもないのである。厳密な行動に対して厳密な答えが返ってこない。これが腑に落ちないのだ。
なので僕はふわっとさせておくことにしている、だいたいヒゲのあたりで無理そうな感じ出てたら切る、という具合だ。これはあくまで例なのでそういうルールを使っている訳ではないのだけれども雰囲気はそういうことだ。
「先週はコンビニの前にいたよね?なんで今週はみどりの窓口の前なの?どういう時はコンビニの前にいるの?コンビニに行きたくなるのは10回中何回?ていうか10時頃っていうのは10時何分のことなの?」である。
対して彼女の応えは「えー、わかんない、気分?」な訳だ。
彼女に対して毎回10時ぴったりに行くことや絶対にコンビニの前で待つことは重要ではない。重要なのは10時頃に駅にいることだ、11時に行ったりバス停に行ったりしてはいけないということだ。もうめんどくさいから行かないなんてのは論外である。
つまり重要なのは厳密に実体を超えたら損切りすることではない。重要なのはだいたい超えたら損切りをすることだ、どちらのラインにも達していないのに損切りしたり20pipsも30pispも越えてから損切りしてはいけないということだ。もうめんどくさいから損切りしないなんてのは論外である。
例えば10pipsの含み損で切ると決めることには損切りのトリガーという役割しかなく、これが厳密に10pipsであるとか12pipsであると決めることに意味があるわけではない、損切りをすることだけ決まっていればだいたい10pips前後で切る。これで良い。
これを厳密に12pipsとしてしまうと、前回は損切りして良かったが今回は切ってすぐ戻ってしまった12pipsより14pipsの方が良いのではないか、12pipsの逆行で済むのは10回中何回だろうか、という不毛な分析と検証が始まるのだ、僕はね。
なので僕はあまり厳密なルールが好きではないのである。
この話最後の数行だけで言いたい事の全てじゃないか、彼女の話とかいらなくないか。